この作品について
男っぽい女子・沙羅と、女っぽい男子・睡蓮。
肉体はそのままに、男の子と女の子の人格だけが入れ替わるという設定は定番ですが(最近では「君の名は。」など)、この作品は「性別」を入れ替えて育ったことで宮中までも騙してきた瓜二つの異母姉弟が、本来の姿に戻ってそれぞれの幸せを目指す、というお話です。
有名な古典が原作で、これまでにもいろいろな作家さんが小説化や漫画化してきた作品ですが、それぞれにその作家さんの解釈が現れていて、楽しめる作品になっています。
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感想とネタバレ
男の子だった子が女の子として育てられ、女の子だった子が男の子として育てられましたが、2人の性格や気質上、それはある意味正解だったのかもしれません。
今風に言えば、強制的LGBT状態ですね。
最初はお互いが偽りの性別で過ごす事に充実していたのに、恋をすることによって自分の本当の性と向き合うことになり、主人公たちの葛藤が伝わってきます。
その葛藤が読み手からするとハラハラ・ドキドキして、読んでいて楽しかったです。
女だとバラせば楽だろうに、男とバラせば上手くいくだろうにと。
もう一度性別を入れ替えればいいのでは? でも、今までの人生、別の性で生きてきて、今更戻って幸せになれるのだろうかと、色々と考えさせられます。
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また、このお話は同じ設定、同じ流れで話が進んでいくのに、漫画家によって解釈と細部が異なるという、古典原作ものならではの楽しみ方もあるんです!
たとえば、このお話には男のふりをしていた姫が、ライバルとも友人とも言える立ち位置の男性から強引に体の関係を結ばされ、妊娠してしまう場面があります。
ここから先は、作品ごとに様々な展開に分かれて行くのですが、この作品では身ごもった子どもを流産してしまうという流れになっています。
それがのちのち、本来の姫の姿に戻った主人公が本当に好きな人を受け入れられなくなる理由となり、トラウマとなって苦悩するきっかけになります。
このシーンは他作品ではなかったことにしてあったり、古典の原作通りに、子どもを産んでいたり様々です。
また、今作はとても絵がきれい!
宮中の物語を、優雅で美麗な絵を楽しみながら読みたいという方にも、ぜひ読んでほしいですね。
古典を読みたいと思えるきっかけにもなり、恋愛モノとしてもきゅんきゅんできる作品なので、本当にオススメです!
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絵の上手さ ★★★★★
ストーリー展開 ★★★★★
盛り上がり度 ★★★★
ラブラブ度 ★★★★
総合おススメ度 ★★★★★