恋愛もの

外面が良いにも程がある。

この作品について

毒気の強い作品を描くことに定評のある尾崎衣良先生の短編集です。恋愛系の話が揃っていますが、やはり毒気が強いです。ですが、どの作品もスッキリと終わっていますので気持ちよく読み進めることが出来るでしょう。

あらすじと感想

表題作の『外面が良いにも程がある。』は言ってしまえばチャラ男系で好き勝手に生きてきた主人公・瀬高が合コンで眼鏡に三つ編みの地味な女性・吉野と出会い、何だかんだで骨抜きにされてしまう物語です。

吉野は「どうして合コンに来たんだろう?」というくらいに大人しい女性ですが、物の食べ方がとにかく綺麗で、瀬高が何となく目で追うようになっていった女性です。
吉野は眼鏡に三つ編み=奥手で純粋で清楚な子と思いきや、変なところで大胆だったり、とんでもない腹黒だったりと様々なギャップを見せていき、適当に楽しく生きていた瀬高は彼女にどんどん惹かれていきます。

チャラ男の瀬高も、真面目で残業を押し付けられまくる吉野も、読者をイラつかせるタイプに多いキャラ設定ですが、どちらもなんだか憎めない性格として描かれています。
特に吉野は前述の『とんでもない腹黒』の部分で、スカッとさせてくれるのではないでしょうか。

表題作以外では、過去の失恋の影響で自分の実力を隠し、大人しく過ごしていた凄腕キャリアウーマンの主人公・玉名が職場の人気ナンバーワンに好かれに好かれ、付き合うことになった後、結果的に化けの皮を脱ぐ羽目になってしまう『業務上偽装恋愛』、
交際相手に二股を掛けられた挙句捨てられた主人公・田代と何故かくっついて来た隣の課の男性・鳥栖の物語『いたい にがい 少しあまい』、
浮気するわ卵アレルギーの主人公・杏奈に卵入りのハンバーグを食べさせるわで、もうとにかくクズ(でも顔は良い?)な彼氏と付き合っている杏奈の話、『優しい毒薬』が収録されています。
スカッとしたり、その上少しほろりとしてしまったり、シンプルですが綺麗にまとまった話が揃っています。作者様のあとがき含めて楽しめる話ばかりですよ!

広告に上がることが多いのは表題作の『外面が良いにも程がある。』やアレルギーというデリケートな話題が登場する『優しい毒薬』が多いですが、私個人としては『いたい にがい 少しあまい』がお気に入りです。
この話、他の話同様にシンプルな構成ではあるのですが意外と結末が読めないところがあるので、突然ほろりと泣かされてしまうことになってしまいました。ですがどの話もおすすめですよ!

この作品の5段階評価

絵の上手さ    ★★★★★
ストーリー展開  ★★★★★
盛り上がり度   ★★★★★
ラブラブ度    ★★★
総合おススメ度  ★★★★★