この作品について
「受け溺愛の吸血鬼攻め ✕ 順応力の高いノンケ受け」
15年間一緒に過ごしてきた親友は、実は吸血鬼でした-――。
300年の時を生きてきた吸血鬼の過去や、ここ15年の間の気持ちが少しずつ、ゆっくりと紐解かれていきます。
敵か味方かよくわからない登場人物も居て、読んでいて少し疲れちゃうくらい臨場感に溢れています。
そんな中で、時に鋭く突っ込みを入れる主人公の言葉は、読者にとって共感度抜群。
吸血行為は、吸われる方も吸う方も欲情してしまうというアダルトさで、シリアスな部分を絶妙に中和してくれます。
しっかりした世界観・ストーリーにハラハラしながらも、全体的にはそこまで重たくならずに楽しめる作品です。
あらすじとみどころ
受け・佐野隆文は、攻め・川島弘樹とは15年の付き合いになる友人でした。
その日、隆文は酔いつぶれた弘樹を介抱していましたが、目覚めた弘樹に突然キスをされます。
その上、唇に噛みつかれたのです。
隆文は、反射的に弘樹を殴り飛ばします。
こみ上げてきたのは、怒りでした。
弘樹は昔から、突然いなくなったり、頻繁に酔いつぶれたりすることがあったのです。
そのフォローをするのはいつも隆文の役割で、どこに行っていたのか聞いてもごまかすばかりで教えてくれませんでした。
我慢も限界だったのです。
「今、俺の質問に答えねーと縁切る。お前、ゲイなのか?」
その問いを、弘樹は否定します。
「ゲイじゃなくて…吸血鬼なんだ!多分もう、お前も…」
隆文は呆気にとられました。
頭の中にはいくつもの疑問符が浮かんでいましたが、過去の弘樹との思い出が走馬燈のように蘇ってきます。
そう言えば中学当時、弘樹はいつも日傘を差していました。
隆文は不思議に思いましたが、弘樹が言いたくなさそうにしていたので、無理には聞き出しませんでした。
そしてまたある時には、隆文の小さな怪我を見た弘樹は「怪我してるのに放っとくなよ」と、いつになく怒ったのです。
これまで弘樹の様子がおかしかったり不可解だったりしたのは、全部吸血鬼だったからなのか…?
隆文は現実逃避を諦めて、弘樹の話に耳を傾けます。
「隆文は俺の、食糧になったんだ」
「俺と一緒に、永遠の孤独に耐えてもらう事になる」
「永遠を生きる吸血鬼の命の源だから、他の吸血鬼から狙われる」
弘樹は落ち込んでいて、とても深刻な様子でした。
しかし、隆文にはその理由がよく分からず、弘樹に首筋を差し出します。
「とりあえず、飲め。今更気にしてどーする。なっちまったもんは仕方ねーだろ」
自分が食糧になれば、弘樹は元気になって、一緒に太陽の下に立てるようになる。
これからも楽しくやっていける、そう思ったのです。
しかし、この日から隆文の日常は一変してしまいます。
次々と明らかになる事実に、隆文は振り回されていくのです…
・・・この続きはぜひ本編で読んでみてください。
ネタバレになるので書き切れなかったストーリーや過激な描写も、じっくり読むと最高です♪
「まんが王国」で試し読みが出来ますよ。
「飢えた獣」で検索すると出て来ます。
感想
全編フルカラーで、とても綺麗!
ですが、「ドサッ」とか「もぐもぐ」とか「ドキドキ」いう擬音が白抜きフォントで、綺麗な絵の雰囲気を台無しにしています。
なんだこのセンスの無さは…!なんとかならなかったのかな?
本当に台無し。よくもここまでというくらい場違いです。
ともあれ、先の読めないストーリー展開は面白いです。
友人として15年も一緒にいて、隆文は弘樹のことを大切に思っています。
それは恋愛感情かというと微妙なのですが、ただただ弘樹に幸せでいて欲しい、笑っていて欲しいという深い愛でした。
一方、弘樹は複雑です。
300年を生きてきて、吸血鬼としての本能にあらがえず苦しみ、自責の念から抜け出せずに、暗闇の中を生きてきました。
そこに光を差したのが、隆文の存在です。
弘樹にとっての隆文は太陽のようで、何よりも大切な存在で、ずっと側に居られればそれでよかったんです。
幼い頃から側にいて、何度も“本能”によって隆文を襲いたくなりましたが、ずっとずっと耐えてきたのです。隆文のために。
2人の根本には、お互いに対する健気な想いがあるように見えます。
その上、吸血鬼たちは世界中にいて権力者も多く、純血種である弘樹の後継者問題まで絡んできてドタバタ!
ドタバタなのですが、ストーリー展開はとてもゆっくりです。
隆文と弘樹の想いをとても丁寧に、それも焦れったいくらい細かく描かれています。
大切だから支えたい、大切だから巻き込みたくない、巻き込まざるを得ないのなら、少しでも軽減したい。
見事な心理描写で感情移入させられて、読み終わった後は少し疲れます。
そしてストーリーがほとんど進展してないことに驚かされます。
まだまだ完結しそうにありません!
現在5巻まで発売中。
作り込まれた世界観の中、この先の展開が気になりつつも、両片思いのじれったさを楽しめます!
ストーリー展開 ★★★★
盛り上がり度 ★★★★
エロさ度 ★★★★★
総合オススメ度 ★★★★
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