「25時、赤坂で」のあらすじと全巻を無料で読む方法

この作品について

「人気の先輩俳優攻め×芽が出ない俳優受け」

今作の舞台は芸能界ですが、この手の漫画にありがちなパパラッチや、俳優同士の嫉妬など、華やかな事件は一切起こりません。

この漫画の良さは、巧みで細やかな心理描写です。

 

主人公は、同性愛をテーマにしたドラマのメインキャストに大抜擢されます。

台本を読んでゲイ同士の恋愛について考え、悩み、演じることで役者として一歩上のステージへと昇っていきます。

その中で、役作りのために主演俳優とセフレ関係を結び、次第に惹かれていくのですが、単純にその心の動きを描くだけではありません。

主人公の心情と、演じている役の心情が絶妙にリンクしていくのです。

ロマンチックな展開と巧みな心理描写で、いつの間にか物語の世界観に引き込まれていくことでしょう。

目新しい展開や派手さではなく、凪のように穏やかで深みのある一冊。

心の動きを追いかけて楽しみたい方におすすめです!

あらすじとネタバレ

受け・白崎 由岐は売れない役者です。
バイトの合間に劇団に出たりエキストラの仕事をしたりする毎日を送っていました。

しかし、ある日突然、ゴールデンタイム枠のテレビドラマのメインキャストに抜擢されます!

主演は攻め・羽山麻水という2歳年上のイケメン俳優で、かつて同じ映研に居た先輩でもありました。

演じるのは、麻水がゲイ、白崎はノンケ役で、同性愛をテーマにした内容です。

顔合わせの飲み会で麻水は酔い潰れてしまったので、白崎は介抱し、自宅に連れて帰りました。

そこで白崎は突然キスされます。

止めようとしますが、麻水の端正な顔立ちと、芝居ではないその表情に胸が高鳴り、受け入れてしまいます。

 

翌朝目覚めた時、麻水は頭を下げてきました。

誰とでもこんなことをする訳ではないこと、そしてゲイであることを告げられました。

「白崎くんもでしょ?大学の頃からそうだと思ってたんだけど。ちがった?」
と言われた時、白崎の表情は固まります。

白崎は自分がゲイであるとは思っていませんでしたが、その言葉は、白崎の胸を深く抉りました。

 

いくら顔を合わせたくないと思っていても、ドラマの撮影は始まります。

この日の撮影は、麻水が白崎に告白するシーンがありました。

台本には、麻水の告白に対して白崎は「気持ち悪い」と返すようになっています。

しかし、何度やり直してもそのシーンがうまく演じられず、監督からも「このままじゃ進められない」と言われてしまいました。

白崎には、ゲイに対して「気持ち悪い」と言う心情が理解出来なかったのです。

だけど、演技をよくするために出来ることは全部しておきたくて、ゲイバーに向かいます。

セックスだけでもしてみれば何か掴めるのではないか、という期待がありました。

右も左も分からずにちびちび酒を飲んでいると、男が声をかけてきます。

その男は、麻水でした。

「セックスの相手、俺じゃダメかな」

こうして、演技のための肉体関係が始まりますが、その心情は撮影しているドラマの内容と絶妙にリンクしていきます。

 

感想

最初に言います!

リンクすると言っても、役柄が喧嘩しているから喧嘩する、とかそういう表面的なことではありません!!

大まかなストーリーの流れ自体は、はっきり言って平凡です。

芸能界ものにありがちな嫉妬による妨害とかパパラッチとかの大事件はなく、目新しい展開もありません。

この漫画の魅力は、ずばり作者さんのストーリーの広げ方・表現力です!!

 

ドラマの撮影が進んで行くにつれて、白崎演じるタクミと麻水演じる涼二の関係は、進展したり決別しかけたりします。

実際の白崎と麻水の関係性はというと、たまにご飯を食べたり身体を重ねたりする、穏やかなものです。

ドラマの中でタクミと涼二が恋人同士になっても、現実の白崎と麻水の関係は変わりません。

ですが、その心情は“タクミ”と“涼二”と重なるんです。

白崎と麻水が、タクミと涼二を使って会話をしているように見えるんです。

 

白崎は、役柄の台詞や思い悩んでいる内容を理解したつもりで演じます。

自分の演技に満足して、周りからの評価も得ることが出来ます。

だけど、実際に役柄と近い状況になったとき、その台詞の本当の意味を知るんです。

その台詞には、思い描いていたもの以上の鋭さがあることを知るんです。

いろいろな感情を知って、白崎の世界は少しずつ広がっていきます。

身体から始まる関係なのに、どことなく儚くて、つついたら壊れてしまいそうな繊細さがあって、だからといって淫靡さが損なわれるわけでもない。

芸能界ものの漫画はよくありますが、この漫画はとても独特の世界観をもっています。

漫画や小説を読んでいて「伏線として置かれていた点と点が最後に繋がる」ということがありますが、この漫画は線をすーっと引いていってる感じ。

ドタバタした展開はないのに、さざ波みたいに穏やかな展開しかないのに、どんどんこの漫画の世界に引き込まれていきました。

読み終わったあとには、映画を見終わったときのような余韻が残ります。

 

絵柄はもちろん綺麗なんですが、この漫画の中で一番印象的なのが瞳です。

夏目は喜ぶと、ビー玉みたいなきらきらとした瞳になって、泣いているときにはとろけた飴玉みたいな、潤んだ瞳になるんです。

この表現力はすごいです!

描き込みも多いし、時間をかけて一冊を丁寧に仕上げたんだろうなと、感動すら覚えます。

1巻で収まるところに収まる素敵な2人。現在続編が連載中です!

 

最後に、これだけ美しいと言い続けたのであれですが、エロもしっかりあります。(笑)

セフレから始まるので、コンスタントにそういうシーンが出てきます。

ぜひ、時間があるときにゆっくりと、世界観に浸りながら読んで欲しい一冊です。

 

この作品の5段階評価
絵のうまさ    ★★★★★
ストーリー展開  ★★★
盛り上がり度   ★★★★★
エッチ度     ★★★★★
総合オススメ度  ★★★★★