この作品について
27歳で念願の母親となった主人公と、僅か生後4か月で悪性の小児がんと診断され、余命宣告を受けた親子が、絶望の淵に立たされながらも残り少ない時間を必死に生きようとするヒューマンドラマです。
誰にでも起こりうる、がん闘病との向き合い方について考えさせられる作品です。
作者:さがわ蓮
あらすじと感想
主人公のみゆきは27歳で念願の母親となり、息子として生まれてきた渓太郎と夫との、三人家族で幸せに暮らしていました。
そんなある日、みゆきが渓太郎のおむつを替えていると、おむつが何やら薄いピンク色に染まっている!?
違和感は覚えたものの特に気に留めなかったみゆきですが、次の日にまたおむつを替えると今度は血の塊を見付け、胸騒ぎを憶えたみゆきは病院に行くことにします。
そこで医師に「腫瘍があるから、大きな病院で診てもらうように」と告げられます。
紹介された病院で検査を受けた結果、なんと腎臓のほぼ全体が腫瘍になっていることが分かり、小児がんの診断を受けます。
さらにそのがんは、今まで完治した症例がない悪性のがんで、渓太郎は余命宣告をされてしまうのでした。
突然の余命宣告にただ絶望するみゆきでしたが、渓太郎と遊んでくれる、同じ病院で病気と闘う子供たちや、必死にサポートしてくれる病院のスタッフなどと話をしたりかかわっていくうちに、悲しんでいる暇などないことに気づきます。
みゆきはそこから、残された渓太郎との時間をいかに幸せに過ごすかを考え、夫や家族、病院などと協力しながら残りの時間をしっかりと生きていきます。
しかし残りの時間が少なくなるにつれ、どうしても現実と向き合わなくてはならない苦しさと葛藤しながら、みゆきは母親としての使命を全うして行くのでした。
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当たり前の日常のありがたさを、強く感じさせてくれる作品でした。
私たちが普段当たり前だと思い込んでいる日常が、この漫画の中では当たり前ではなく、いかに限りある時間を大切に過ごすかということが大事か、ということに気づかされます。
みゆきは本当によくできた、強い人間だなー、という一言に尽きます。
やっと授かった大切な一人息子が、がんで余命宣告なんかされたら、私だったらショックのあまり立ち直れなって、無理心中を図ってしまうかも知れません…
ある意味、自分自身に対する余命宣告のほうが、よほど諦めが付くでしょうに。
しかしみゆきは、残された時間を当たり前の日常のように過ごそうと思うことができる人で、ここまで前向きにはなれる人はそういないのではないでしょうか?
また、みゆきの夫も、仕事をしながら病院に通うというハードな毎日が描かれているのですが、世の中の旦那さんみんながみんな出来ることではないですよね。
仕事の内容や職場の理解度によっては、子供のために最大限のことをしてやりたいという葛藤を抱えながら、それでも家計を支えなければいけない義務感に必死に堪えて働く男性も多い筈です。
そんな中、本当に素敵な旦那さんだと思います。
みゆきの両親も周りの人もみんな悲しいはずなのに、渓太郎の残りの時間の幸せを1番に考えて行動している姿が懸命に描かれていて、とても涙なしで読むことはできません!!
悲しい話のはずなのに、なぜかラストでは心が温まる、そんな不思議な漫画でした。
[box04 title=”この作品の5段階評価”] 絵の上手さ ★★★ストーリー展開 ★★★★
盛り上がり度 ★★★
感動度 ★★★★
総合おススメ度 ★★★★
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